商業・ 法人登記(会社登記)の全体像

はじめに

株式会社をはじめとした法人を運営する中で、登記手続が必要になる場面があります。
代表的なものとしては、次のような手続が挙げられます。

・会社・法人の設立
・役員(取締役や監査役など)の変更
・本店の移転
・増資(募集株式の発行)
・組織再編(合併や会社分割、株式交換など)
・解散、清算

これらは、いずれも会社や法人にとって重要な事項を決定・変更するものです。
このような場合には、管轄法務局に登記申請を行わなければなりません。

このような登記のことを、「商業・法人登記」といいます。
法人の中でも株式会社の数が特に多いため、「会社登記」と呼ばれることもあります。

ここでは、株式会社における手続を前提として解説するため、会社登記という言葉を使用していきます。
また、この記事でいう会社とは、株式会社のことを指すものとします。

会社登記の手続は種類が多く、登記申請に必要となる書類にも、細かい違いがたくさんあります。
一方で、会社登記には申請期限が定められているため、いざという時に義務違反とならないように、全体像を把握しておくことが欠かせません。

この記事では、会社運営に関係する主な登記手続について、全体像を整理して解説します。

お困りの際は、こちらよりお気軽にお問い合わせください。

会社設立の登記

会社を新しく設立する場合には、一部の例外を除いて、会社設立の登記を行う必要があります。
会社は、設立登記をすることによって初めて法人として成立するためです。

会社設立の基本的な流れは、次のとおりです。

①定款の作成
②定款認証
③資本金の払込み
④設立登記の申請

上記のうち、定款とは、会社の運営に関する基本的な規則のことをいいます。
「定款は、会社の憲法である」と言われることもあるように、会社にとって非常に重要なものです。

定款により、会社の商号や目的、役員の人数や事業年度など、会社運営の根本となる部分を定めます。
定款の設計によっては、将来の会社運営に大きな影響を及ぼすこともあります。

作成した定款は、公証人の認証を受けることで、会社設立の登記申請に使用することができます。

当事務所は、登記の専門家として、会社設立の手続全般を代行することができます。
詳しくは、こちらのサービス案内をご覧ください。

役員変更の登記

会社の役員が増えたり減ったりした場合など、役員に変更が生じた場合には、役員変更登記の手続を行う必要があります。
なお、ここでいう役員とは、取締役・代表取締役や監査役などのことを指します。

役員変更登記が必要になる主なケースは、次のとおりです。

・新任役員の就任
・任期満了による退任、重任
・辞任、解任による退任

このうち、特に注意が必要なのは、任期満了による変更です。
役員の任期が満了した場合、たとえ同じ役員が再任された場合でも、役員変更登記手続を行う必要があります。

その他にも、役員変更には注意点がいくつもあります。
トラブルを未然に防ぐためには、変更事由が生じる前から、専門家に相談しておくことをお勧めします。

当事務所は、登記の専門家として、役員変更の手続を支援することができます。
詳しくは、こちらのサービス案内をご覧ください。

本店移転の登記

会社の所在地を変更する場合には、本店移転の登記手続を行う必要があります。
本店移転には、大きく分けて次の2種類があります。

その一つが、同一法務局管轄内での本店移転です。

たとえば、本店所在地を川越市から所沢市へと移転する場合などが、これに該当します。
いずれの市も、さいたま地方法務局の管轄内にありますので、同一法務局管轄内での移転となります。

もう一つが、管轄外への本店移転です。

たとえば、本店所在地を川越市から横浜市へと移転する場合などが、これに該当します。
この場合、川越市はさいたま地方法務局の管轄ですが、横浜市は横浜地方法務局の管轄にありますので、管轄外への本店移転ということになります。

この場合は、同一法務局管轄内での本店移転に比べて、手続がやや複雑になります。

また、本店所在地の変更は、定款変更が必要になる場合もあります。
定款変更が必要な場合には株主総会決議も必要になるなど、変更内容に応じた手続が求められるため、注意が必要です。

当事務所は、登記の専門家として、本店移転の手続を支援することができます。
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資本金の増資(募集株式の発行)

会社を運営していく中で、増資(募集株式の発行)を行うことがあります。
増資とは、一般的に、新たに株式を発行して資本金の増額を行うことをいいます。

たとえば、1株あたり1万円の株式を新たに100株発行する場合、100万円の資金が得られることになります。
この資金は、銀行などから得られる借入金とは異なり、返済する必要がありません。
株主(=出資者)は、配当などの形で、出資のリターンを得ることになります。

会社としては、増資により、財務体質の改善などのメリットが見込めます。
もっとも、株主が増えることで議決権の割合が変わるなど、注意が必要な場合もあります。

また、増資を行うことにより、会社の登記事項に変更が生じるため、登記が必要になります。
このため、増資を検討する際は、司法書士への事前相談を行っておくことが望ましいと考えます。

当事務所は、登記の専門家として、増資の手続を支援することができます。
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解散・清算の登記

「会社をたたみたい」と考えた場合にも、登記手続を行う必要があります。
具体的には、解散登記(+清算人の就任登記)と、清算結了登記の申請を行うことになります。

一般的な手続の流れは、次のとおりです。

① 株主総会で解散決議
② 解散登記(+清算人の就任登記)
③ 債権者保護手続
④ 残余財産の分配
⑤ 清算結了登記

たとえば、会社にお金を貸している人(債権者)がいたとします。
債権者からすると、お金を貸した相手が勝手に消滅してしまったら、貸金を回収することができなくなり、困ってしまいますよね。

そこで、解散から完全に会社が消滅するまでの間に、会社財産を清算する手続を行う必要があるのです。
その清算手続が完了(結了)することにより、法律上も会社がなくなることになります。

当事務所は、登記の専門家として、解散・清算の手続を支援することができます。
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その他の会社登記に関する制度

実質的支配者リスト制度

近年、会社関係の手続として注目されているものに、実質的支配者リスト制度があります。
これは、会社の実質的支配者を対外的に証明する際に用いる制度です。

具体的には、会社が作成した実質的支配者リストを法務局に提出することで、登記官の認証付き証明書を発行してもらえます。
提出の際は、所定の書面を添付する必要がありますので、あらかじめ確認が必要です。

銀行口座の開設や融資、不動産売買など、会社を運営していく中で、会社側が実質的支配者を明らかにしなければならない場面があります。
そのような場合に、この制度を活用して証明書を取得しておくと、取引が円滑に進むと思われます。

詳しくは次の記事で解説しています。

実質的支配者リスト制度とは|川越の司法書士が解説 | 野崎司法書士事務所

まとめ

会社登記の手続を行うためには、会社法の理解が欠かせません。
登記事項の変更内容によって、求められる手続の種類は多岐にわたりますが、基本的には会社法の規定に従って進める必要があるためです。

また、会社の状況によっては、変更や決定の内容が税務や許認可、契約関係などにも影響することがあります。
そのため、会社登記の手続では、会社の実情に応じた事前準備が重要になります。

そうなると、
「ある出来事が起きたから、登記手続を行う」というよりも、
「ある登記申請を行うために、必要となる手続を逆算して行っていく」というケースが多くなります。

そのような場合には、事前に専門家に相談しておくのが望ましいと考えます。

当事務所では、会社設立から事業承継まで、会社登記に関する手続全般をサポートしています。
また、他士業のサポートが必要になる場合には、それぞれの専門家をご紹介いたします。

川越市周辺で司法書士をお探しの場合には、ぜひ当事務所へご相談ください。
会社登記の手続のサポート内容については、こちらをご参照ください。
お困りの際は、こちらよりお気軽にお問い合わせください